坂本選手の圧勝で幕を閉じた全日本フィギュア女子シングル。
フリーの闘いも熱かった!
住吉選手。
う〜ん、ポテンシャルは高いと思うのに、なかなか試合で実力を出しきれない選手ですよね。もったいない。4トゥループは大技なのでミスは想定内でしょうが、痛そうなコケ方だったな、腰から落ちた感じでヒヤッとしました。
後半の3-3は良かった。
住吉選手はあまり振りを詰め込まない、もっとゆったりして伸びやかな振り付けの方が合うように思います。何となく、エテリガ-ルズのようなせかせかバタバタ感、せわしなさを感じる。手足がスラっと長く所作が美しい選手なので、もっと振り付けを削ぎ落としてシンプルな振り付けの方が持ち味を活かせるんじゃないか、というのがイチ素人の意見です。
イチオシ、松生選手。
松生選手のスケート、大好きなんですよね。膝と足首を柔らかく使った、滑めらかで伸びのあるスケーティング。ジュニアの頃に初めて演技を見て、自然な流れの中でスム-ズに加速していく、スピード感のあるスケートに度肝を抜かれました。それでいて丁寧さ、繊細さも感じる。
ルッツは2つともアテンション+UR。後半のルッツの回転不足判定はちょっと厳しいような。ウチのテレビでは、スロ-画像が粗く今ひとつクリアに見えないのでなんとも言えませんが。ジャッジはウチのテレビよりはクリアな映像見てるだろうから、それで見るとUR判定になるのかな。
最初のルッツの転倒はまだしも、後半のフリップのミスはもったいなかった。せめて2トゥでも付けられたら。しかもDG判定。
点は伸びませんでしたが、持ち味の柔らかく美しい演技は健在。完全復調したら、また上位争いに加わってくれそうです。
青木選手。
3ルッツ3ル-プは3-2になってしまいましたが、上手くまとめてなかった?なんでマイナス評価なの?GOE1くらいは付けてもいい、それかゼロ。マイナス要素ありました?厳しくない?
3連続も、フリップがqだとしてもマイナス付ける?ジャンプの質は良かったと思うのでプラマイゼロくらいで良くない?厳しくない?
鍵山選手は着氷直後に左足を着いてしまっても、ダブルアクセルが拙い着氷でも結構な加点を貰ってましたよね?鍵山選手のジャンプの質がそもそも高いという事、ジャッジのメンツが違うという事を考慮に入れても、整合性無さすぎませんか?
ジャッジは先入観に囚われすぎでは?選手の格や実績に引っ張られすぎでは?
横井選手。
衣装が懐かしい。お姉さんのゆは菜さんが着てた衣装ですよね。曲が同じオペラ座の怪人。
顔はあまり似てないと思うけど、演技見てるとお姉さんに似てるなあと思います。
ただジャンプの跳び方は、お姉さんがパワー型だったのに対して軽やか派って感じがします。
吉田選手。
鶴をモチ-フとした個性的なプログラム。トリプルアクセルが抜けてシングルに、ダブルアクセル3トゥはステップアウト、と冒頭からミスが出てどうした?と思いましたが、その後はしっかりまとめ上げました。
吉田選手のいいところは思い切りの良さだと思うんですよね。ミスが重なるとどうしても、これ以上ミスしたくない、丁寧に、慎重に、って感じで縮こまったジャンプになってしまう選手が多い中、吉田選手はミスが出ても萎縮しないで普段通りのスピードと勢いでジャンプに入っていく。アスリート向きの性格なのかな?と思います。
渡辺選手。
トリプルアクセルに挑むも転倒。でもナイスチャレンジです。
ルッツに2つともqが付いて得点を伸ばしきれませんでしたが、全体としては持ち味を出せたいい演技だったと思います。
演技構成点61点台って低すぎない?
島田選手。
SPに続いて悔しいミスが出てしまいました。本人は納得いかない全日本だったでしょう。
でも、観てる側から言うと十分すぎる演技でしたよ。
どうしてもトリプルアクセルや4回転という大技にばかり目が向きがちですが、ジャンプ、スピン、ステップ、全ての質が高い。指先まで気を配って演技してるのもよくわかります。
ただ、まだまだジュニアジュニアしてる(ジュニアだから当たり前なんだけど)感じで、そこはこれからの伸び代ですね。
上薗選手。
ジュニアGPファイナルで観るまで全く知らない選手でした。13歳とは思えない大人っぽさがありますね。全日本という大舞台で、全くビビってない感じで度胸の良さも感じます。
曲は、前半がトゥルソワ、後半がテネルでしたね。確かSPはコストルナヤが滑ってた曲じゃなかったっけ?
でも、ジュニアで輝いてた選手がシニアになって伸び悩んだり、その逆だったり、と先が読めないのがフィギュア。これから体型変化の壁にもぶち当たるでしょうし、どんな大人のスケーターに成長していくのか、注目していきたい。
河辺選手。
苦しい展開になってしまいました。ボレロと全身黒衣装って、五輪シ-ズンのワリエワと丸被りで縁起悪くないですか?
SPが良くて表彰台狙える位置だっただけに残念。本人もちょっと意識しすぎちゃったのかな?
細かいミスが響いて点は出ませんでしたが、ラストのクライマックスにステップ、コレオを配したプログラム構成は当たってたと思います。河辺選手の最大の武器って、トリプルアクセルじゃなくダイナミックなステップとスピードを活かしたコレオだと思うんですよね。Miracleでも凄く良かったし。
三原選手。
ケガからの復活。まだ足に痛みはあるそうですが、とてもそんな風には見えない演技でした。ミスらしいミスはサルコウだけ。最初はもう少し点が出てもいいのにな、と思いましたが、何度か見直すうちに妥当な評価のように思えてきました。
完全復活を待ちましょう。
千葉選手。
もうシニアだったんですね。時の過ぎるのは早い。
SPもFSも素晴らしかった!軽やかなスケーティングと柔らかな雰囲気。流れるような演技の中でも、一つ一つを丁寧に大切にやってるのが伝わってきます。
無駄な力が入ってないのもいいですね。
ここに個性がもっと加わってくると、もっともっと見応えのあるプログラムになると思います。もちろん、今のままでも十分見応えありますけど。
山下選手。
ちょっと表彰台を意識しすぎちゃったのかな?それとも単に調子が悪かった?
最初の3-3がいつもほどの勢いがなくて、慎重に跳んでるな、とちょっと思ったのですが、それでも綺麗に決まったので、これで少しは落ち着いたかな?いつも通りの演技が出来るかな?と思ってました。そしたら、あれ?後半のジャンプが・・・
それでも、得意のステップはさすがでした。
坂本選手。
別格、という言葉がピッタリですね。女王に隙なし!
それに、改めて気づいたのですが、表現面、特に腕のしなやかな動きが凄く進化してるなと思いました。例えば腕を伸ばすにしても、スッとストレートに伸ばす所と肘から先に動かすように伸ばす所と使い分けてる。難しい足技をこなしながら、細かいところまで上半身の動きをしっかり意識してるんだなと思いました。
坂本選手の演技を観てると、神は細部に宿るとはこういう事なんだなというのがよくわかりますし、強さは美しさなんだな、と気付かされます。
今大会に出場した全ての選手にとっていいお手本になったでしょう。そして、そんな強く美しい世界女王と同じリンクで滑れるというのは凄い経験、刺激になるだろうなと思います。